やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2023/04/18
住宅ローン控除を適用するための確定申告をし忘れてしまった場合の取扱い

[相談]

 私は昨年(令和4年)11月に新築マンションを購入し、12月初めに引っ越しを行い、そのマンションでの居住を開始しました。
 そのマンションの購入については住宅ローンを組んでいるため、昨年分の所得税の確定申告にて住宅ローン控除の適用を受けようと考えていたのですが、確定申告書を申告期限(令和5年3月15日(原則))までに提出することを忘れてしまいました。
 このような場合、私は、令和4年分の所得税について住宅ローン控除の適用を受けることはできないのでしょうか。
 なお、私の所得は給与所得のみで、この給与所得については勤務先で年末調整計算が行われているため、所得税の確定申告義務はありません。


[回答]

 確定申告義務のない人については、その年(令和4年)の翌年(令和5年)1月1日から5年以内に還付申告を行うことで、住宅ローン控除の適用を受けられます。


[解説]

1.所得税法上の住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)制度の概要

 所得税法上、個人が、国内において住宅の取得等をして、これらの家屋を令和7年12月31日までの間にその人の居住の用に供した場合において、その人がその住宅の取得等に係る住宅借入金等の金額を有するときは、原則として、その居住の用に供した日の属する年以後10年間(原則)の各年のうち、その人のその年分の合計所得金額が2,000万円(原則)以下である年については、その年分の所得税の額から、住宅借入金等特別税額控除額を控除することと定められています。この制度を、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)といいます。

 この住宅ローン控除は、原則として、所得税の確定申告書に、住宅ローン控除の規定による控除を受ける金額についてのその控除に関する記載があり、かつ、その金額の計算に関する明細書、登記事項証明書その他の書類の添付がある場合に限り、適用するものと定められています。

2.住宅ローン控除の適用を受けるための確定申告を行うことを忘れてしまった場合

 所得税法上、確定申告義務のない人(一定の給与所得者で年末調整により所得税が精算された人など)について納めすぎた所得税がある場合には、その年の翌年1月1日から5年以内に還付を受けるための申告(還付申告)を行うことで、その納め過ぎた所得税の還付を受けることができると定められています。

 したがって、今回のご相談の場合、ご相談者には令和4年分の所得税について確定申告義務がないことから、令和5年1月1日から5年以内に還付申告を行うことで、住宅ローン控除の適用を受けられることとなります。

(注意点)

 税法上、納税申告書を提出した人は、その申告書に記載した税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったり、その計算に誤りがあったりしたことにより、その申告書の提出により納付すべき税額が過大であること等の場合に該当するときは、その申告書の法定申告期限から5年以内に限り、税務署長に対し、その申告について「更正の請求」を行うことができると定められています。

 しかしながら、住宅ローン控除のように、一定事項の申告等を条件に所得金額、税額の減免をすべきものとされているものについてその申告等をしなかった人については、その申告自体が法律の規定に従っていなかったり、計算に誤りがあったりしたわけではないことから、その特例の適用を求めるために上記の「更正の請求」をすることは許されないと解されています。

 したがって、確定申告義務がある人(事業所得がある人で一定の人など)が、その確定申告において住宅ローン控除の適用を忘れていた場合には、上記の更正の請求を行うことはできないこととなりますのでご注意ください。

[参考]
通法23、74、所法121、122、措法41、所基通121-1、122-1、国税不服審判所公表裁決事例(平成19年2月19日裁決)など


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